晩秋

今年は珍しく病院通いが多かった。
一つ一つは大した事ないけれど、
同時にあちこち通ったのは初めてだ。
お金も時間もかかるし、不安にもなる。
でも、それも落ち着いてきた。


一番長く通ったのが耳鼻科だった。
副鼻腔炎の症状が酷くなり、周りから
「話が聴き取りにくい」と言われた
ので通い始めたのだ。
5月から2週間に一度の割合で通って、
こないだようやく「もう大丈夫です」
と言われた。


でも、なんかいまいちピンと来ない。
「ほんとに改善したのかしら?」
という感じ。相変わらずあちこちで
「え?なに?」と聞き返されるし。
あれ、結構傷つくんですよ、今だに。


この病気、中学の頃からの付き合い
なのだが、いつもそうだ。
長い間病院に通って、「もういいか」
つって止めて、また何年かしたら
悪くなってまた通う羽目になる。
40年間、ずーっとそう。
「治ったー!」という爽快感が無く、
実際ぼんやりと再発する。またか。


またかと言えば整形外科。夏に肉離れを
起こしてそちらは治ったが、足の指が
ずっと痺れたままだ。一度病院に
行ったものの、「肉離れが神経に影響を
及ぼしているのでしばらく様子をみて
下さい」と言われておしまい。
でも変わらない。


整形外科にかかると「しばらく様子を
見て」と言われる事が度々あるが、
なかなか治らない。特に神経系統は。
「はい、痛みが消えましたね。完治!」
とならないのでスッキリしない。
「治った!」と実感できたのは、
4年前の骨折の時くらいだろうか。
痛みが消えて動くようになって、
すごく嬉しかったのを覚えている。


良くなってきたかなあと思うのは
五十肩くらいだ。これも半年くらい
かかったが、少しずつ動かせるように
なってきた。
でも、だいぶ寒くなってきたからねえ。
去年はこの時期から腰痛も酷くなった
しねえ。


そんな事をぼんやり考えながら、
「それでもまだマシなんだろうな」とも
思う。あと10年経ったらもっとあちこち
悪くなってたりして。やだやだやだやだ。
……明るい希望を持って、楽しく50代を
過ごしていきたいと思うのである。
ほんとに。難しいけど。