溶げでだ

気付いたら3日も経っていた。
1日に一度散歩する以外は、殆ど家の
中にいた。


痛みは、若干収まったかなと思うと急に
酷くなったりするので油断ができない。
昨日こちらの病院でも診てもらったが
特に異常は無く、そういうものなのだ
そうだ。やれやれ、長い付き合いになる
のかしら。


医師が言うには、「ここを折った人は
間違いなく四十肩になりますよー」
との事だった。100%ですよ、と。
そんな事、確約されても困る。


「はあ、そうですか」と言いながら病院
を出た。言いたかったのは一つだけ。
「先生、俺もう四十肩じゃないっすよ。
49歳だから、ほぼ五十肩」
……そんな事どうでもいい。


良い事も一つあって、Tシャツが着れる
ようになったのは嬉しかった。
袖に左腕を通すのがきつかったのだ。
ちょっと油断して変な腕の曲げ方をする
と激痛が走るけど、まあ進歩である。
涼しくなってきたし、重ね着が出来るの
は嬉しい。


あとは家の中で、音楽聴くか寝てるか。
新品のCDが千円で売ってたのでまた
少し買ってきて、ずーっと聴いている。
アルバート・キングだのダニー・ハサウ
ェイだのディアンジェロだの、なぜか
ブラック・ミュージックばかり。


これらをCDラジカセで聴いてると、
なんかしみじみと心に迫ってくるので
ある。開けた窓から秋の風が入って
きて。いいなあ。働きたくねえなあ。
それじゃいかんなあ……ぐう。


明日は午前中だけ、撮影して来よう。
溶けてしまわないうちに。