五十二の手習い

昨日教授からメールが届いた。
「明日の午後ミーティングをやるので、
発表資料を昼までに送るように」


「すみません、その時間帯は手が離せない
作業があるので欠席させてください」と
返したら、「では明後日に変更しましょう」
と返事が来た。ちぇ。逃げられなかったか。


1ヶ月の進捗状況を一人ずつスライドで
説明するのだが、これが憂鬱だ。
質問されても返せる自信が無い。
学生さん達の目も気になる。
でも何より憂鬱なのが資料作りだ。
考えただけで気が重い。
パワーポイントで資料を作るのだが、
僕はこのソフトを使った事が殆ど無かった
のである。


会社時代のプレゼン資料と言えば、Excel
メインだった。パワポを使っている部署も
あったが、へんなアニメーションみたいな
やつが多くて、「そんなの作ってるヒマ、
あるかい」と思っていた。
いつも会議のギリギリまでデータを集めて、
そのワーキングファイルを持ち込んでいた
のである。


使い慣れないソフトを使うだけでも憂鬱
なのに、学生さん達の作る資料がみんな
上手いから更に困る。
色んなソフトを組み合わせて、とにかく綺麗。
そのまま学会に出られるんじゃないかと思う
くらいだ。劣等感は更に増して行く。


なおかつ、全ての表記が英語だ。
僕が学生の頃は日本語がメインだったのだが、
今は全て英語。ま、当たり前か。
使う単語は結構限られているから、覚えて
しまえばどうって事は無いのだが、なにせ
まるで覚えてないからね(いばるな)。


愚痴ばかり言っても仕方がない。今日は
実験を早く切り上げて、3時から資料作りを
始めた。昨日僕と同じ化合物を作っている
学生さんに発表資料を送ってもらったので、
それを丸ごとパクり、幾つかを自分流に書き
換えてオリジナルみたいなふりをした。
学生さん、ごめんね(とても優秀で穏やかな
青年です)。
でも俺の方がデータは多かったね。へへ。


報告資料には決まったパターンがあるらしい
のだが、先月の報告会ではそれを知らずに
自己流で資料を作って行った為に恥ずかしい
思いをした。僕だけ素人、部外者みたいだった。
なので今月はフォーマットだけでもきっちり
合わせようと思っていたのだ。


時間内に終わらなかったので家に持ち帰り、
先程ようやく完成した。ホッとした。
ま、元々ソフトウェアとか機械の「当て勘」は
強いからね。どうってこと無いっすよ、へへ。


だいぶパワポにも慣れてきた。でもまだ覚え
なきゃならないソフトが幾つかあるんだよな。
やれやれ。五十二の手習いもなかなか大変です。