フランク・オオザッパ

昨日は仕事の話を書くつもりが、途中で
おかしな方向に行ってしまった。
最近多いな。いかんな。


化学実験をして物質を合成するのが
今の仕事だ。実験で合成した物が
スペックをクリアしたら、別の所で
性能評価してもらうのだ。


でもまだそんな所までは行ってなくて、
今は基質合成の段階である。
市販の試薬から、テーマとなる物質
(基質という)をたくさん合成する。
それを使って、これから色々な反応を
やっていくのである。
早い話が準備だ。


けれどそれさえまだ1回しか実験を
やっていない。残業・休出が許されて
いないので、毎日少しずつしか進め
られないのだ。
学生の頃ならば3日あれば出来たことに
一週間かかった。その前は器具が無くて
実験そのものが出来なかった。


とまあ環境のせいにしたけど、一番の
問題はやはり僕だ。
雑なのである、仕事が。ほんとに。
学生時代も失敗ばかりしていたが、
今となってはその理由が良く分かる。
とにかく雑。嫌になるくらい雑。


妙に細かいくせに大事なポイントで
ちょくちょく雑なのだ。仕込みで
こぼし、濾過してる時にこぼし、
フラスコから掻き出す時にこぼし。
他には窒素を流し過ぎて溶媒を全部
飛ばしたり、とにかく雑。
写真とおんなじ。


結果、学生さんがやった同じ実験に
比べて、収率が半分だった。
論外である。
そのくせ原因究明だけは早くて、
「あれとあれとあれを直せば次は
行ける!」とか言っている。
前向きだよねえ。
根本的に何も改善してないのに。


学生の頃もそうで、詰めの甘い雑な
実験で失敗を繰り返し、でもすぐに
立ち直る。1日の中で希望と絶望が
何度も繰り返される様を先輩に「一人
人生劇場」とからかわれた訳だ。
なんにも変わってない。


今日はいつもより早く家を出た。
これから2回目の反応である。
今度こそは。とりあえず丁寧に。