デカンテーション

週が明けてまた現実に戻った。
先週作ってしまったタール、何とかしなきゃ。


去年も同じ事があった、と前回書いたが
今年ですね。今年一発目の実験でした。
1月3日に出てきて実験したのに酷い結果に
なって、ああもうやだと思ったのだ。


解決方法はあって、「カラムクロマト
グラフィー」という手を使えばタール分だけ
分けられる筈だ。学生時代、毎日やっていた
方法だからやり方は覚えている。


でもうちの先生が、なぜかカラムを嫌って
いるのである。再結晶でやれって言われる
のだ。廃液とか廃棄物が増えるからかな?
普段使わないので道具を準備するのが億劫
だというのもある(どくせえ)。
前回のタールは確か10回くらい再結晶して、
やっと精製できた筈だ。やだやだ。
今回も土曜日に休出して再結晶したのだが
上手くいかなかった。


やだなー仕事に行きたくねえなーと思いながら
家で風呂に入っていて、ふと思いついた。
デカンテーションって手があった!」


再結晶後のフラスコからタール分を含まない
上澄だけを抜き出す方法である。その上澄を
エバポレーターにかけて溶媒を取り除くと、
タールを含まない結晶が得られる。それを
再結晶すれば綺麗な精製物が得られる筈だ。


卒業研究でやってた手法だ。その時も同じ
系統の反応をやっていて、やはり生成物が
タール化していたのだ。カラムでも分けられ
なくて、その方法を試していたのだった。
これなら上手く行くかもしれない!


早速昨日からやってみた。ピペットで慎重に
上澄を抜き出してエバポすると結晶が出た。
よおおし、何gだ?……70mg……。
元は3g位あったのに70mgかあ。これを
再結晶しても殆ど残らないよなあ…。


愕然としたがすぐに気を取り直した。
「何回もやりゃあいいんだろ」
タールをまた溶かして冷やして、上澄掬って。
結晶が無くなるまで何度もやりゃあ良いのだ。


写真とおんなじだ。1回の撮影行で個展
1回分を撮ろうと思っても俺はダメなのよ。
何回も何回も、何なら同じとこを何度も撮ら
ないと見えないのよ。そういう人、あなたは。
1回当たりの歩留が低いんだよ。
宝くじとか万馬券とか無いから、あなたの
人生には。ただただ地道に、しつこく
何度でもやり続けなさいよバカタレ。


という訳で、今日もずーっとやってました。
いま1gちょっとかな。少しだけ要領も良く
なりました。明日再結晶します。


……ここまで書いて、今日は違う話を書こうと
してた事を思い出した。ま、いいか。