難しい人

少し前の事だが、ある人からこんな事を
言われた。
「○○さんがね、『ツルタくんは気難しい
からなあ』って言ってたよー」


その時は「○○さんには言われたくない
ですよー」と軽口を返していたのだが、
後からこう思った。
「時々、そう言われるなあ」


自分ではゾウリムシみたいに単純な性格
だと思っているのだが、そうでもない
みたいだ。昔から、時々そう言われる。


何故だろうと思って、まず考えたのは、
「誰がそう言ったのか」という事だった。
明らかに一つの傾向が表れた。
僕より年上、もしくは立場や地位が
上の人で、決めつけるような言い方を
する人だった。


僕はそういう人達に警戒心を抱く。
彼らは人としてすごく魅力的な人達
なのだが、「君は○○だよな」と
決めつけられると僕はどうしても
馴染めない。


誰でもそうだと思うが、僕は極端に
拒絶してしまうところがある。
徹底的にブロックして心を開かない。
シャッターを閉めてその裏に板を打ち
つけるのだ。


かつて、一晩ベロベロに酔っ払いながら
ある先輩にずっと「違います」と
言い続けた事がある。
理論的に説明出来なくても、絶対に
従いたくなかったのだ。
「じゃあお前はどうしたいんだよ!」と
怒られても、ただただノーを言い続けた。


反骨心とかではない。言い負かされる
のが嫌なだけでも無い。
勝手に枠にはめられるのが嫌なだけだ。


でも、時々分かってくれる人もいる。
大学時代の恩師は、僕の事を両親に
こう言った。
「ツルタくんは頑固です。納得しないと
絶対やらない。でも納得したらとことん
やる」
物は言いよう、である。そして、僕より
遥かに上手だ。
でも嬉しかった。有り難かった。


今のバイトでも「こいつめんどくさい
なー」と見られてるんだろうなあ、と
いつも思う。


「ああ、そうさ。めんどくせえんだよ」
と開き直るのもダメだし、「そうですね
これではいけないですよね」と全てを
合わせようとしても多分無理だ。
塩梅が難しいけれど、何とか生きて
行こうと思うのである。


と、ここまで読み返してふと思った。
「俺も人を決めつけるような言い方を
してるなあ」
いかんいかん。