きりぎりす

最近我が家の蛍光灯がますます不調で、
夜はまったく点灯しない。バイトから
帰ってきても部屋は真っ暗。
個展の構成を考えたりとか、色々作業
したいのだができないので、仕方なく
酒を飲みながらしずかーに夜を
過ごしている。


真っ暗な部屋でテレビとパソコンだけ
灯っている中、おっさんが1人で酒を
飲んでいる訳で、他の人が見たら
なんかアブナい光景だが、本人は結構
楽しんでいる。
酔いが進み、半分横になっていると
何とも穏やかで幸せな気分である。
夜は楽しい。


グラスの氷が無くなったので台所へ。
明るい所に出た途端に色々考え出す。
「さてこれからどうしたものか」
「そもそも私は何をやっているのか」
「これでいいのか?」


氷を入れながら体が少しずつ沈み込む。
これじゃあ童話のキリギリスだ。
何の蓄えもなく日々ヘラヘラ遊んでる
ばかり。ああ。


真っ暗な部屋に戻る。
グラスに酒を注ぎ足し、一口飲む。
ふへえ。ま、いいか。
今日は飲むけど、明日からいついつ
までにこれとこれをやろう。
あれとそれも考えよう。うん。
よし、計画はできたぞ。飲むか。


毎度のパターンである。
多分明日も同じ事をやる。いかん。