そもさん、説破!

3日前からようやく、フィルム現像を始めた。水洗の終わったネガを
乾かす為に吊るした時、つくづく思った。
「ああ、新作だ」


段ボール箱に突っ込みっぱなしだった撮影済みフィルムが、現像を終えて
作品の元となるネガになった。僕は新しい作品を手に入れたのだ。
「お前、何年もやってて今更」と思われるかも知れないが、ちょっと
感動してしまったのである。これは銀塩モノクロームならではの喜びだなあ。


そこから柄にもなく色々考え始めた。銀塩とデジタルについて、
と言うよりカラーとモノクロについて。なぜ僕はモノクロを続けているのか?
「好きだから」とかではなく、何の必然性があって続けているのか?


何人かの写真家の作品を思い出してみる。ああ、あの人の作品は
モノクロで出す意味があるなあ。
(それはどうして?どういう所が?)え?えーと...。
(僕の場合は?どこがどう違う?)えーと、ちょっと待ってね、んーと。
(なぜモノクロをやってるの?カラーとの違いは?具体的に!)
.........。
(そんな事も言葉にできないのかい!)


作業をしながら延々と考え続けた。よく考える事ではあるが、いつもは
適当に流してたかも知れん。考え続けてようやくひとつ、言葉にする
事ができた。でも、まだ足りない。
うーむ、うーむ、うーむ。


なんと言うか、柄にもない事はするべきではないですねえ。