こじつけ

数日前からセレクト用のプリントを始めた。
2L判の紙で、気になった写真を片っ端から
プリントしている。


モノクロの暗室と違って、デジタルは手間がかからない。
プリンターに紙を入れて、写真のデータを立ち上げて、
サイズを決めて、はいスタート。
薬品の調製も温度管理も要らない。今の段階では
色の調整もやらないので、モノクロで言う所の
焼き込みやら覆い焼きに相当する作業もない。
トリミングもしていない。


なので極めて簡単である筈なのだが、なぜか疲れ方は
あんまり変わらない。むしろ疲れが翌朝まで残ったりする。
今朝も起きれなくて少し寝坊したくらいである。
何故だろう?


結局、プリントしながら写真に向き合うという事自体は、
銀塩でもデジタルでも同じなんだよなあ。
一人で、自分の撮った(選んだ)写真に対峙して、
「さあ、どうするべ」と思う作業自体は何も変わらないのだ。


しいて言えば、モノクロの方が後に楽しみを残している分
だけ楽しいし、疲れも少なくなるのかも知れない。
どういう事かと言うとモノクロ暗室の場合、現像液の中で
写真がふわーっと浮かび上がる訳で、その瞬間は「おお、
遂に現れたな」という感じでとても楽しいのである。
ネガで見た時より面白かったりすると、余計に嬉しくなる。


デジタルだとこうは行かない。
「はい、こんなんですわー」とプリントする前から
ある程度見えてしまっている。結果、作品に向き合う
シリアスさだけが残るのかな、と。
まあ、こじつけですけどね。


そんな事も考えつつ、プリントは進んでおります。