極私的坂本龍一セレクション

何か書きたいと思ったが、追悼文は何か
違うと思った。
僕が受けてきた影響とかも要らないなと。
うまく書けないし。
なので好きな曲の話を書きます。
順不同なので、何が一番とかではありません。
気の赴くままに書こうと思います。


"War Head"
1980年のシングル。音楽を聴き始めたばかりで
何も分からなかったけれど、ビートがカッコ良い
なと思った。YMO+大村憲司の最強編成。
高橋幸宏細野晴臣のリズム・セクションには
色んな魅力があるけれど、この曲の演奏は極めて
ストイックだ。シンプルだけれどグッとくる
ビートを、淡々と刻む。
そこに坂本龍一のシンセと大村憲司のギターが
素晴らしいドライブ感で切り込んでくる。
カッコいい。


"riot in Lagos"
「B-2Unit」(1980)収録。ずっと好きな曲。
そして、何年かおきにブームが訪れる曲。
バンドでもカバーしたが、どのパートを弾いても
楽しい。全ての音が、入り込む場所を虎視眈々と
待ち続けているようで、そこから切れ込む様が
スリリングでワクワクする。
特に幸宏のドラム、特にスネア!
シグネーチャー・サウンドが炸裂してます。
今聴くとスライとかファンクの影響も感じる
けれど、その次のビート感が既に芽生えている。


"M.A.Y. in the Backyard"
「音楽図鑑」(1984)収録だが、「1996」とか
その後のトリオライヴも素晴らしい。
"MA.Y."は「モドキ」「アシュラ」「ヤナヤツ」
の略だったと思う。
東京の坂本家の庭に入り込んできた猫の名前だ。
猫がいる生活のBGMとしても秀逸だけれど
僕はこの曲のビート感が好きで、時々無性に
聴きたくなる。ひとつひとつのフレーズと
間合いが気持ち良いんですよ。


"Self Portrait"
「音楽図鑑」収録。メロディー、コード、構成、
アレンジ、演奏、何もかも完璧。
この頃の坂本龍一の音楽は優しい。
そこが良いけれど、その奥で何かが不安定に
揺れている。もう何百回、いや何千回
聴いたことか。
ドラムは高橋幸宏。ギターは山下達郎
名演です。


"Youのテーマ"
NHK教育テレビの番組主題歌。
僕、これ大好きで。
レコード化してなかったので、テレビのイヤホン
ジャックからラジカセに繋いで録音して、
毎日聴いてました。後にCM集のCDが出た時は、
この曲が入っていたので買いました。
ポップなんですよ。今聴くとソウルっぽさもある。
後にブッカーT&M.G'sが好きになるのですが、
その源流は多分ここだと思います。
こないだラジオでこれがかかって、思わず大声を
あげました。


"ビックラゲーション"
「音盤ビックリハウス」収録。中学の同級生で
大の幸宏ファンでアンチ坂本という奴がいたの
ですが、これを聴いて「坂本龍一ってすげえな」
と言って以来感服してました。
なんでそうなるのか分からないけど、
このビート感と和音感覚はやはりすごいなあと
今でも思います。


わあ。思ったより長くなってしまった。
まだ1984年じゃないか。
でもまだ足りない。もっと書きたいなあ。
高橋幸宏の分も。