積極的支援

少し前のこと。
去年受けた人間ドックの管理をしている
会社から「特定保健指導」を受けるように
との通知が来た。
「あなたは『積極的支援』に該当します」
だと。何のこっちゃ。


無視してたら、また通知が来た。
「大学の共済組合の人達は指導を受けない
人が多い。このままでは当社での様々な
特典から除外される可能性がある」だと。
脅しかよ。やだなあ。


「やりゃあいいんだろ」とリモートでの
面談を受けたのが今月の4日。
そもそも何が悪いんだよ、と思ってたら
BMIが高いんだと。人間ドックを受けた頃
には既に10kg近く減量していたが、
それでも25を超えてたらしい。


とりあえず受ける。相手は栄養士。
今の体重を言ったら「ああそれなら25は
切ってますね」だと。
それなら終わりだな、はいご苦労様と
思ったら逃してくれなかった。


「煙草は吸ってますか?」
「5年前からやめてます」
「それはいい事ですね。お酒は?」
「以前は毎日飲んでましたが、最近は
 週3日に抑えてます」
「そうですか」


本当は週3日で1週間分飲むんですけどね。
余計な事は言わない。
でも相変わらず食事制限は続けている。
一時期停滞して、更にリバウンドしたので
節制を強化した。その結果停滞期を突破
できた。
それも伝えたのだが、なかなか引かない。


「食事のカロリーは高いですか?肉と魚、
 どちらが多いですか?」
「それほど高くない方だと思います。
 魚と野菜、きのこ類も多いです」
「運動はされてますか?」
「特にやってないですけど、駅から仕事場
 まで毎日往復1時間以上歩いてます」
 

最近は車ばっかだけどね。言わないけど。
ここまで言っても引き下がらない。
遂にはこんな事を言い出した。
「お菓子は食べる方ですか?」


そんなに食べないけど、時々アイスとか
チョコは食べますねーと言ったら、
そこに食い付いてきた。
「それをやめましょう!洋菓子は止めて、
甘いものが欲しければ和菓子を少し。
食事は魚と野菜中心にしてお酒は極力止めて、
毎日30分以上のウォーキングをして、
3ヶ月間で2kg減量しましょう!」


‥‥‥ふざけんな。赤の他人のあんたに
なんでそこまで制限されなきゃならんのだ、
と言いたかったが我慢した。流そう。
最初に体重を聞かれた時、多めに答えといて
良かった。実質あと1kgちょっとだ。
それが辛いんだけど。


とにかく終わってよかった、と思ってたら
3日くらい前、仕事中に電話が来て再尋問
された。
「お菓子とお酒は控えてますか、運動して
 ますか、食事バランスはどうですか‥‥‥」


やれやれ。3ヶ月しっかり付きまとうつもり
らしい。
尋問されながら、心の中で般若心経を唱えた
のである。