魚さかなサカナ

定時で仕事を終え、速攻で帰る。
山手駅からの坂を上りながら、
歌うようにつぶやく。
「さかな、さかな、さかなー」
おかしくなった訳では無い。
早く帰って魚が食べたいだけなので
ある。


日曜日に蒼穹舎で、多々良さんから
干物をたくさん頂いた。
伊豆から届いたものなそうで、
「売るほど頂いたのでもらってもらえ
ませんか?」という連絡が来た時は、
部屋で一人吠えた。
「魚が食えるー!サガナー!」


去年の秋、帰省していた時に母の指導で
ブリの塩焼きを作って食べた。
ブリの調理法といえば照り焼きかブリ大根
くらいしか思い浮かばなかったのだが、
これはすごく美味しかった。


以来ずっと「魚が食べたいなー」と思って
いたのだが、この近所では高くて手が出な
かったのである。ついつい安くて、調理
しやすい肉の方へ向かってしまった。
それと魚の場合、美味しくないものに
当たった時の悲しみがかなり深いので、
なかなか買う気になれなかったのである。


という訳で、毎日早く帰っては干物を
焼いて食べている。昨日の夜は金目鯛、
今朝は鯵、今夜はカマス。なんて贅沢な。
ご飯と味噌汁と焼魚だけで、すごく幸せな
気持ちになる。我ながら、こんなに魚を
欲しているとは思わなかった。
魚って、ほんとに美味しいですよね。


これに焼酎のお湯割りか美味しい日本酒が
あれば最高で、昨日は「明るい農村」の
お湯割りを飲みながら泣きそうになった。
ああ、幸せ。嬉しくて昨日全部飲んで
しまったので、今日はビールだけど。


干物はまだまだたくさんあるのだが、
今週中には食べてしまわないと。
焼き方も色々考えたりしながら、給料日前
の苦しい時期を心豊かに過ごしております。