冬負け

誕生日でした。54歳になりました。
今日は「誕生日と思わなければ、まあ
よくある1日」だった。
誕生日だと思うとなんか切ないと言うか
余計にきついと言うか。
特に何があった訳でも無いけれど。


「よくある」と書いたが、冬に入って
からずっと、何かを堪えながら生活して
いるような気がする。
何故だろう?と考えてみた。
風景の影響は大きい。冬景色にやられて
しまう事は多いかも知れない。
毎朝駅から大学まで歩く間に、少しずつ
気持ちが沈んでいる気がする。


去年は腰を痛めていて、行きも帰りも
バスで通っていたから分からなかったが、
毎朝30分の徒歩通勤が結構厳しい。
秋までは何とも思わなかったのに。


だったらバスに乗ればいいじゃないかと
思ったのだが、ロータリーに並んだ行列
を見て「やっぱやーめた」となった。
バスの本数はそこそこあるので長時間
待つ訳でもないし、何より去年は全く
平気だったのに、今年はきつい。
どうしたんだろ。


多分、それどころじゃなかったのだ。
去年の方が雪は多かったし寒かった。
でもそれ以上にやらなければならない事も
考えなければならない事も多かった。
だから「ああ、雪ね。寒いね。だから
どうした?」という感じだったと思う。
で、今更「あ、冬なんだ」と気が付いて
夏負けならぬ冬負けを起こしているので
ある。


じゃあ学生時代はどうだったのかと
言うと、やはり冬負けしていたと思う。
12歳の時に盛岡に越してきてから大学を
出るまでの10年間、冬はずっと憂鬱
だった。
夏の馬鹿みたいな明るさも悲しかった
けれど、冬はただただ沈んでいた。
秋以外はほぼ気持ちが折れてた気がする。
川崎に出てからは夏以外はまあ大丈夫
だったので忘れていたが、そうだった俺。


とは言えそんな泣き言を54歳にもなって
繰り返すのもどうかと思うので、日々
歯を食いしばっております。
でも誕生日なんてのが来ると、フッと
何かが入り込んでくるんですな。
いかんいかん。春よ来ーい!