救いの手

深く深く深く息をついた。
「救われた」と思った。


去年の終わりからずっと気になっていた
事があった。前回「冬負け」なんて
書いたけど、根っこにはこの問題が
あって、それがその他の問題と絡み合い、
冬の厳しさと結び付いて背中にずっしりと
乗っかっていたのである。
24時間自己否定はさすがに疲れる。


でもそれは全て誤解というか杞憂というか
思い込みであった。今日それが確認できた。
特にこの1週間くらい、生きた心地が
しなかったのだ。ああ、良かった。


きつかったけれどそのおかげで得たもの
もあった。ここ最近、YouTubeの短い動画
ばかり見過ぎたせいで長い物語、本とか
映画とかドラマとか、に手が出せなくなって
いたが、それが解消されたのだ。


きっかけはこないだ観た映画だったが、
長編の物語に対峙してそれに没頭する事で
気持ちがすーっと楽になったのである。
そこから色々観たり、買ったまま本棚に
積みっぱなしになっていた本を読んだり
した。少なくともその時間だけは気持ちが
楽になった。


そういや昔もそうだった。冬に観たもの、
読んだもの、聴いたものって、いまだに
自分の中に染み込んでいる。
忘れてたわ、この感じ。楽しい。


新しいものを吸収する気持ちが無くなった
かと思って、それも不安だった。
解消されて嬉しい。
まだまだ色々あって、どれもこれも現実的な
問題ばかりで疲れるけれど、救いの手が
差し伸べられたような心境である。