The Main Thing

昨日は朝から一日大学にいた。
乾燥機を止めるだけのつもりで休出した
のだが、出てきたサンプルに少し色が
付いているのを見て「もう1回再結晶
したいな」と思ってしまい、やった
結果ドツボにハマったのである。


綺麗なサンプルだけを再結晶すればすぐ
終わったのに、何を血迷ったか他の回収品
も混ぜてしまった。不純物の多いサンプルを
再結晶したので、またタール地獄に陥って
しまった。結晶、出ない出ない。
10回くらいやり直したかしら。


いつもなら途中で諦めるのだが、28日から
休みなので、その前にどうしてもケリを
つけたかった。今回の年末年始は一切休出
したくなかったのだ。
去年の12月は色んな事があって仕事を抜ける
事が多かったので、遅れを取り戻すべく
年末年始も何日か出ていたが、今回はそれを
一切やらないと決めていた。
なので昨日は休みが一日潰れても納得できる
ところまで進めたかったのだ。


なぜ休出したくないか、理由は色々ある
けれど、一番は「写真をやりたい」という
事に尽きる。撮影したいし、部屋でセレクト
したり編集したりもしたい。
何より頭を完全に化学から切り離して、
写真側に切り替えたかった。


そこまで考えたところでふと気付いた。
「もう化学じゃないんだなあ」


高校生の時に「化学をやろう」と決めた。
化学でどうやって飯が食えるか分から
なかったけれど、とにかく化学をやると
決めて大学に入った。
大学で学ぶうちに自分が好きなのは化学の
中でも有機化学だなと気付いて、それを
専攻した。


就職して配属されたのは化学工学と呼ばれる
分野の仕事だったけれど、それでも化学が
自分の軸であるという認識は変わらなかった。
それが変わったんだなあ、と改めて実感した
のである。


岩手に帰ってこの仕事に就いて、どう
変わるかと思ったが、結局何も変わら
なかった。僕が生きる上で軸となっている
のは写真だ。
化学は収入を得る為にやっている。
赤バイクと何も変わらない。
期間雇用だからというのもあるけど、
学生時代のような執念は、もう無い。


でもまあ、写真の方から「別にお前は
要らないよ。数にも入ってないし」
と言われる可能性もあるな。
誰からも求められてないのに自分の
思い入れだけで写真を続けているのかも、
と考える事もある。


それでも、かじりついて続けて行こうと
思っているのである。