イラストと私

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絵を描くのが苦手である。
構図とか全然分からなかったし、色を
塗るのなんか特に苦手だ。
絵の上手い人には本当に憧れる。


そんな人間がいま写真家をやっているの
だから人生分からない。
写真家には絵の上手い人が沢山居るし、
美術から転向してきた人も多い。


「写真と美術とは違うじゃない」
とよく他の写真家から言われたけれど、
その度にこう思った。
「そういうあなたは絵が上手いし、
デザインとかもできるじゃん」


実際、差を感じることは何度もあった。
写真と美術は確かに違う部分があるけれど、
作品を作り、それを人前に発表する事の
根本は共通している。
みんなが理解している基本的な事を、
僕だけが分かっていない気がしていた。
例えば写真そのものの構図、トーンの選択、
展示の構成などなど。
それでも写真がやりたいから、長い時間
をかけて少しずつ穴を埋めているのである。


化学者になる時もそうだったが、自分が
やりたい事に関して必要な資質とは何か、
そしてそれがどれくらい自分に足りて
いないのかを見極める能力だけは自信
あるんだぞ俺は(ついでに言うと、
向いてないのにその方向に進んでしまう
見極めの悪さにも自信があるぞ)。


いわゆる「絵画」は描けないけれど、
挿絵的なイラスト、漫画を描くのは結構
好きで、高校の時から友達の似顔絵に
悪意あるエッセイを付けたやつを書いて
クラスに廻したり、とかしていた。
このブログの原型である。


会社に入ってからは毎月「ヒヤリハット
というのを書いて提出する事になって
いて、そこに入れるイラストを描くのが
楽しみだった。


本来は工場内で危険を感じた作業、設備
などをピックアップして事故を未然に
防ぐ為に提出するもので、その説明の為に
簡単な図を描くのだが、そこはほれ、
目立ちたがりのお調子者ですから。
ウケを狙って実際より大げさに描く訳です。


タンクからガスがちょっと吹き出した程度
の事を、とんでもない高さまで吹いた様に
描いたりして。今だったら問題になって
しまうかも……いや、当時でもそうか。
「また始まった」と相手にされてなかった
だけだなきっと。


さっきそんな事を突然思い出したので、
当時を思い出しながら描いてみました。
やっぱ下手だなあ。