図書館

6月に入って、大学の構内にサークル勧誘の
立て看板がちらほら見られるようになって
きた。グラウンドからは時々運動部の掛け声
が聞こえる。学食も、座席に全て衝立が取り
付けられたりはしているが、だいぶ賑やかに
なってきた。


今日は新人対象のセキュリティ研修という
のがあった。場所は図書館の2階で、ここに
入るのは初めてだ。図書館もずっと閉鎖して
いたのである。


学生の頃は、講義が終わると殆どここにいた。
レポートが毎日たくさんあって、家では
進まないのでここでやっていたのだが、
レポートが無くても毎日居た気がする。
お金無くて、バイトする気も無くて(どうせ
社会に出たら嫌ってほど働くんだ)、
家に帰ってもやることが無い。
ここにいれば本がただでたくさん読めるし、
新しい本も多かったので毎日居た。
自分では買わない哲学書とか結構読んだが、
内容はまるで覚えていない。


子供の頃から図書館は好きだった。
釜石の市立図書館にも随分通った。
高校の時は試験期間になると内丸の県立
図書館へ、それ以外は高松の市立図書館に
いた。市立図書館にはクラシックのレコード
がたくさんあって、普段は聴かないから
ここで聴いていた。
高校から大学までの7年間、その大半を
図書館で過ごしていた気がする(あとは
茶店だ)。
図書館特有の静けさや空気が本当に好きだ。


そんな思い出のある大学図書館だが、いやあ
変わりましたねえ!すごく立派になった。
今の県立図書館にもひけを取らないんじゃ
ないか?一歩入った瞬間に「うわあ…」と
声が出た。ここは通いたいなあ。
1つ1つ棚をチェックしたくなった。
何があるんだろう?


唯一不満なのは閲覧室が狭いかなと。
あそこで呆然としているのが好きだったんだ
よなあ。パソコンとか置かなくていいから、
馬鹿でかい机をポンポンと置いて欲しいなあ
(この机で製図してた事もある)。


研修が終わって外へ。ここの芝生は昔は
もっと広くて、昼休みになるとここでみんな
寝転がったり話をしたりしていた。
そんな中、僕らは農学部か工学部の食堂で
缶ビールを買ってきて(当時は昼から売って
たんですよ。しかもハートランドとか)、
白衣を着てほぼ毎日酒盛りをしていたので
ある。バカだ。ビール掛けをした奴もいたな。


そんな事を思い出しながら理工学部まで
歩いた。大学ってやっぱり面白いし楽しい。
でも同時に思った。僕は今、本当に一人
なんだな。くだらない話をしてないな、と。
そんな話ができる友達が近くに居たら
もっと楽しいだろうけど、ま、仕方ない。


自室に帰って午後からのミーティングに
備えて発表資料を見直した。
パワポもだいぶ慣れてきた。
データもそこそこある。さ、次に行こう。