輪島に着いた瞬間、「いい所だなあ」
と思った。なんというか、路地の
距離感が絶妙なのだ。
ファインダーを覗くと、撮りたいものが
全て絶妙な位置に入っている。
電信柱の位置さえカッコ良い。
かつ町のディテールが面白くて、
今日の光と相まって「こりゃあもう、
一つ一つ撮ってくしかないよな」という
場所であった。楽しかった。
最初は疲れもあったし、いまいち集中
できなかったのだが、この景色を見て
気持ちが切り替わった。
もう一つ思ったのが「豊かな土地だなあ」
という事。黒い瓦屋根の古い木造住宅が
多いのだが、それが美しく維持されて
いる。古臭い感じは微塵もなく、むしろ
モダンな印象を受けた。
その佇まいがとても品が良くて、
土地の雰囲気も柔らかくて、
良い所に来たなあと思ったのである。
あとは単純に、楽しい。
知らない町でカメラ持ってふらつくのは
何年やっても楽しい。わくわくする。
ここ2年は良く知っている土地を撮って
きたが、これは結構厳しい作業だったので
(だからこそやれる事もあるが)、余計に
楽しかった。ずっと笑っていた。
輪島塗も見た。欲しかったが、無理。
撮影だしねー。