時には、集団

昨日バイトの、同じ班の人が骨折した。
階段の苔で足を滑らせて転び、肩の骨に
ヒビが入った。


その場所は僕も知っている。僕も滑って
転んだ事がある。全治3ヶ月かあ。
年内は無理だな。
ここでメンバーが抜けるのは痛い。
一人辞めて、新人が入ったばかりだし。
でも怪我した本人が一番辛い。ならば。


脳内に「真田丸」のテーマが鳴り響く。
♪タララララー、タラララララララー。
「鶴田左衛門佐厚博ぉーっ!」
(もう、いいって)。
ここはひとつ、頑張らねば。


「A殿の荷物が多いのでB殿、ここと
ここのマンションを持って頂けますか?
C殿はこちらを。D殿は夜勤者の補助を
お願い致す。
E殿は本日初陣ゆえ、後程私が応援に
伺います。では各々、ぬかりなく!」


勝手に仕切って高速で準備して一人
配達に出る。4時半に自分の仕事を終え、
さあ他を手伝うかと思って電話したが、
みんな自力で、ほぼやり終える所だった。
急に仕事が増えたのに。おおーっ、と
声が出る。頼もしいなあ。
新人の手伝いを少しだけやって帰る。


忙しかったけど、楽しい1日だった。
集団仕事が楽しいのは、こういう時だ。
みんなが自分の役割を分かっている。
やり方はバラバラでも、ベクトルは同じ。
結果、仕事が大きく進む。それが楽しい。
過去に何度も経験してきた感覚を、
ちょっとだけ思い出した。


ま、一人だけ、今日一番偉い立場の奴が
何にも分からず何も決められず何も
手伝わず、一人呑気にやってたけど。
これは放っておく事にする。


集団仕事も、時には楽しい。
でもまあ、僕は一人がいいけどね。