冬将軍

昨日、今日と仕事が多い。
配達に出る時、頭の中でいつも「真田丸
のテーマ曲が鳴っている
(♪タララララータラララララララー)。


その状態でバイクに乗ると、なんか
無敵の気分だ。幸村になったような。
赤備えだし(バイクだけね)。
負ける気がしないのだ(何に?)。
やってやるぞと気合いが入る。
「我こそは、鶴田左衛門佐厚博ぉーっ!」
……弱そうだなその武将。


まあ、気分良く仕事できるのは良い事だ。
張り切って配達に向かう。
そしたら、最初のお客さんでいきなり
年始限定商品が売れた。しかもたくさん。
タララララー、タラララララララー。
勝鬨をあげえい!


馬鹿な事を呟きながら仕事を続ける。
結構厳しいな、と思ってたが定時で
上がることができた。久しぶりだ。


桜木町まで歩く。今日は気持ちよく
働けたなー、という満足感はすぐに
失せて、冬がすうぅっと、心の中に
入り込む。ああ。


人の波に流されながらふらふらと歩く。
何とも言えない感覚。
どこにも頼れない、属せない感覚。
僕は一人で歩いている。
冬が来た。