上を向いて歩こう

昨夜は殆ど眠れなかった。
珍しい事もあるものだ。
外が明るくなってきたので仕方なく
起きて、朝食と身支度を済ませた。


外の空気が吸いたかったので、いつも
より早く家を出る。中華街の入口辺りを
ぶらついた後、いつもの店で開店時間
からコーヒーを飲む。
さらに「強強打破」を飲んでバイトへ。
事故を起こす訳には行かないからな。


こんな日に限ってというかこんな日は
決まって?もの凄い仕事量で、午前中は
途中まで自分が何をしてるか分からない
ほどだった。間違わないように、遅れ
ないように、落とさないようにだけ
気をつけながらバイクを走らせる。
汗が時々眼に入って痛い。


7時にバイトが終わった。
近くの牛丼屋で夕飯を済ませる。
明日もバイトだし明後日はGAW展の
搬入だ。食欲は無いけど食べなきゃ、
食べて寝て力を蓄えなきゃ、と考える
ところをなぜか「生きなきゃ」と思って
しまった。


誰かの命が危ない訳ではないし、勿論
僕もそうだけどなぜかそう思った。
「生きなきゃ、生きなきゃ」と呟き
ながら牛丼をかき込む。汗が眼に入る。


そろそろラッシュの時間帯だし、なぜか
電車に乗るのが億劫だったので、家まで
歩く事にした。一駅くらい大した事ない
し、家に帰ってひと風呂浴びたらすぐ
眠れるだろうし。歩こう!


でも慣れない事はするものじゃない。
麦田のトンネルを過ぎたところで大粒の
雨が降り出した。折りたたみ傘を出して
さらに歩く。


昨日自分の身に起きた事をまた思い
出した。さあ、これからどうしよう。
答えは無い。見つける気もまだ無い。
また汗が眼に沁みる。
今年の夏は、いろいろ起こるなあ。