仕事用の靴に穴が開いた。左足の、ギアペダルを踏むあたりに
ポッカリ穴が開いた。いつもこの辺がダメになる。
ああそうかい、じゃあ新しいのを買おうか、と行きたい所だが
それ程余裕のある生活ではない。靴の内と外にテープを貼って
（くくくく）誤魔化しごまかし使っていたが、もう限界だ。
仕方がないからいつも履いてるアディダス・スーパースターを
仕事用に廻そうかな、と考えた。普段履く靴が無くなるけど、
それは給料が入ったら新しいのを買おう。
そんな事を考えつつ、靴屋を見て廻った。
アディダスが欲しいなあ、と思ったが良いのが無い。
何と言うか、安っぽいのである。定番のスーパースターや
スタン・スミスでさえ、作りが粗末になっている。
腹が立った。
定番ってのは、信頼だ。使う人達の生活に入り込んでいて、
これがある事が当たり前になっている、そういう品物だ。
それを粗末に作られると、使う人の生活の一部が欠損する。
大げさかも知れないが、僕はそう思う。
普段使っている良いものが無くなるのは、とても困る。
新しいものをどんどん産み出す事も大事だが、
同じ物を手を抜かず長い間作り続けることも
大きな意味と意義がある事なのだと思う。
という訳で、今履いているスーパースターが急にもったいなく
なってきたので、仕事用におろすのはやめた。
代わりにニュー・バランスのジョギング・シューズを、仕事用に買った。
どうせ穴が開くんだから何でもいいんじゃないかって？
いえいえ。きちんとした物を使ってると、自分の仕事も
まともになるような気がするのですよ。
