朝、家を出たら、夏の匂いがした。
どういう匂いかと聞かれると説明しづらいのだが、
間違いなく、夏の匂いだ。
四季にはそれぞれ特有の匂いがあり、それはある日ある朝
突然に現れるのだ、と思う。
それを感じる度に、あ、季節が変わったなと思い、
またひとつ進んだなあ、と嬉しい気持ちになる。
ああ、夏だ。いいなあ。
.....などとキザな事を考えたのは朝のうちだけ。
午後からは陽射しが強くなり、汗が止まらなくなった。
拭いても拭いても止まらない。あぢぢぢぢ。
....うわあ、夏だ。やだなあ。
とは言え、これで季節が完全に変わる訳ではない。
映画の予告編のように切れっ端だけ見せて、また元の
じめじめした梅雨に戻るのだろう。
でもまあ、もうすぐだ。