田野畑へ

朝、早めに起きる。朝食の後少ししてから
外出する。父の喜寿祝いという事で車で、
田野畑村まで。良い宿があると聞いたので
行くことになった。


普段僕は、滅多に車の運転をしない。
岩手を出てから、殆どやらなくなった。
ここ9年位はほぼ毎日バイクに乗って
いる訳だが、それ以前は自転車以上に
速い乗り物を運転する事が無かった
(あ、フォークリフトは運転してたな)。


とは言え親父にばかり任せている訳にも
いかない。岩洞湖の辺りで運転を変わった。
この辺は平坦だしまあ大丈夫だ。
問題はその後の早坂高原だ。学生時代に
運転したが、峠道が怖くて冷や汗が止まら
なかった記憶がある。


「あと少ししたら道の駅があるから、
そこで休憩しよう」と母が言った。
そうか、あと少しで休憩か。よしよし
....ってあれ?この辺の、道の駅って?
「ああ、三田貝のとこ」
それは峠を過ぎて、しばらく長ーく
走った後じゃーっ!「少し」ちゃうわーっ!


幸い、早坂高原にはトンネルが通っていて、
昔よりは遥かに楽に峠を越える事ができた。
が、その後も普段運転しない山道、そして
三陸沿岸特有のアップ、ダウン、カーブ。
田野畑のホテルに着いた時には疲労困憊。
でもまあ、無事で良かった。自信付いた。


震災の時は3階まで津波が入って破壊された
というホテルは翌年から再開したそうで、
お客さんもかなり入っていた。
ロビーには震災時の写真が置かれていた。
来る途中の海岸や町の風景を思い出す。
何も知らない人間が来て、ヘラヘラ
遊んでていいのか?と一瞬思ったが、
それは違うなと直ちに考えを変えた。
楽しませてもらう事にする。


外はずっと激しい雨で、海もかなり荒れて
いるが、宿の中は広々として静かであった。
ゆっくり風呂に入り、その後食事。
めちゃくちゃ美味かった!ここにメニューを
全部出したいくらいだが、1品だけでも
「わーご馳走だー」と喜ぶような料理が
これでもか、これでもかと。
色んな人にお勧めしたいくらい、良かった。


感謝しつつ、家族の健康を祈りつつ、
残さず頂く。
結果として、自分の健康を損ねそうな位
飲んで、食い過ぎてしまったのである。
馬鹿だねえ。