来るもの拒めず

昨日は日曜日だったが午後から出て来て
仕事をした。先週は色々あって実験が
遅れていたので、仕方なく。


今は基質3号をまた作ってるのだが、
これを作るためには反応を3段階やら
なければならない。後処理も色々必要
なので、合成には時間がかかる。
おまけに1段目で出来た物質は日持ち
しないので、保存が難しい。
今週末から冬休みなので、その前に
2段目まで進めないと、分解してしまう
のだ。


今朝方1段目が完成したのですぐに2段目
の反応に入った。本当は2回に分けて反応
したかったのだが、時間が無いので仕込量
を倍に増やして一発で合成する事にした。
やった事無いけど、まあ、全部無駄にする
ことは無いだろ。やってまえ。


反応が安定したので休憩。パンとコーヒー
を買ってきてのんびりしてたら、突然教授が
入ってきた。
「ツルタさん、こないだの砂3号ですけど、
熱処理して〇〇値まで計測して報告して
くださいね。そこまでやらないとデータに
ならないから」


……嘘でしょ、と思った。無理ですって。
いずれそんな話になるとは思っていたので、
砂3号の原料である基質3号を、予定より
早めに作り始めてはいたのだ。
でも先生が言ってるのは、基質3号が無い
ならすぐ作って砂3号に変換した上に、
今まで僕がやったことの無い方法で熱処理
して、それを使ったことが無い装置で
〇〇値を計測して出せ、次の報告会までに、
という話なのだ。無理ですって!


そもそもね、学生さんも基質3号を作って
ますけど、それだけで2ヶ月以上かかってる
じゃないですか。俺、1ヶ月で作ったん
ですよ。さらにそこから2週間で砂3号と
パル2号作って分析して、何とか「使える
かも」まで来たんですよ。
それをまた一からやり直した上に新しい
データを加えて、半月足らずでまとめろって?
無理無理無理無理、腰も痛えし無理。
もう仕事納めです。休ませてくれい!


……と言いたかったのだが言えなかった。
「分かりましたー」だって。バカだな俺。
スケジュールを検討した結果、明日すぐに
新しい反応を始めないと間に合わないようだ。
やれやれやれ。正月はまだ遠いな。