去りゆく年に

年の瀬になって、10代の頃から好きだった
ミュージシャンが次々に亡くなってしまった。


まずはドラマー、青山純氏。山下達郎のバックを
務め、「Ride on Time」以降のサウンドを支えた
名ドラマー。
その次は同じくドラマーでムーンライダーズのメンバー
かしぶち哲郎氏。卓越したソングライターでもあり、
名曲を数多く生み出した。「砂丘」、「トラベシア」、
「スカーレットの誓い」、「Frou Frou」等々、
高校〜大学時代に何度繰り返して聴いたことか。
「リラのホテル」を始め、ソロアルバムも素晴らしかった。


そして今日。大瀧詠一氏の訃報が入った。
どう言葉にすればいいのだろう。信じられないとしか
言いようがないのだろうか?
30年以上僕の生活にずっと寄り添ってきた音楽を創った人。
圧倒的なソングライター、シンガー、プロデューサーに
して、手が付けられない程の冗談と実験好き。


逸話は山程ある。レコーディングスタジオにやって来て、
何も録らずに電圧測って帰ったという話が僕は大好きだ。
佐野元春の「彼女はデリケート」を録音する時、何度も
ダメ出しをして佐野がやけくそになって歌ったテイクを
「うん、それ」とOKにした、って話もあったっけ。
ロックンロールにおいて何が大切かを知り尽くしていたのだ。
残された作品の一つひとつと、そういう逸話が今でも僕の
ベースにある。


同じ岩手県人でもある。江刺の出身で、高校は釜石だった。
こと文化においては劣等感ばかりだった岩手の子供(僕です)
にとって、笑われるかも知れないが宮沢賢治大瀧詠一
誇りなのだ(他にも素晴らしい人はいますけどね)。
リンゴを食べて亡くなるなんて!古いポップスの歌詞みたい
じゃないか。やっぱり、信じられない。
心から、本当に心の底から、ご冥福をお祈り致します。


そしてそんな風にして、僕の色々行き詰まったり突き抜けたり
した1年も終わろうとしています。
今年も本当にお世話になりました。来年もよろしく。
ではこれから、年賀状を書きます(うわあ)。