写真初め

朝6時に家を出る。毎年恒例「新春関東シリーズ」の撮影、今年は
茨城へ行くのだ。


上野で乗り換え、常磐線へ乗り込む。土浦で一度降りて霞ヶ浦沿いに
撮り歩くが、いまいち調子が出ない。
大体このシリーズの最初はいつもそうだ。気合いばかりが空回りするのだ。


コーヒーを飲んで気持ちを切り替え、今度は石岡へ。ここはずっと前に
友達の結婚式で来た事があった。一度撮ってみたいと思っていたのだ。
駅前からの緩やかな坂を上りつつ、時々脇道にそれながら撮り続ける。
やっとエンジンがかかってきた。しばらく歩く。


再び土浦に戻り、今度は街中を撮る。それにしても茨城という所は独特だ。
一見東北に似ている気がしたが、やはり違う。なぜか「やっぱり関東
なんだよな」と思った。街の構成か、地形かは分からないけれど、
近隣の千葉や栃木にも共通する雰囲気がある。


何よりも風景の距離感が独特だ。どこかが「スコン」と抜けたような、
独特の距離感。「空隙感」なんて言葉を勝手に作りたくなった。
引いて撮ると遠過ぎるし、近付き過ぎると面白い部分が抜けてしまう。
釜石もそうだったな。
どうしたらこの空間の面白さを取り込めるのだろうと考えながら撮影した。


日が暮れ始めたので撮影終了。新宿まで戻って、蒼穹舎にてジョン・
ハーディング展を見る。そして酒。
ああ、今年も始まったなあと思った。写真初めだなあ。