記憶を超えろ

一番に配達を終わらせて、他の人が帰ってくる前にさっさと帰宅。
そういう事をする人間では無かったのだが、最近は多い。
気の合う、話の面白い人達が何人も続けて辞めてしまった事が大きい。
なので最近は、他人より多めの仕事を1分でも早く終わらせて先に帰ろう、と
いう毎日だ。誰も悪くは無いけれど。


帰って食事して、久々に暗室をやる。
昨日現像液が届いたので、テストを兼ねてDM候補作の焼き直しをやってみた。
候補作その1はかなり手こずった。あちら焼いたらこちらが薄く、
こっちを覆えば向こうが潰れる。えーい、めんどくせえ。
一方、候補作その2は順調に終了。


この現像液、かなり面白い。最初に使う筈だった(生産中止してしまった)
やつより、むしろ今回の写真に合っているかも知れない。白も黒も
キリッと引き締まる所が好きだ。


仕上がった写真を見ながら「ああ、釜石だ」と思った。
僕個人の記憶なんて、自分らしい写真かどうかなんて、どうでも良い。
あの時に見た素敵な景色が、そのまま写真に出てくれれば良いのになあ、
と思った。釜石の街を知らない人が見て「わあ、かっこいい街だなあ」と
思ってくれたら、それが一番嬉しい。