テレキャスター

毎日テレキャスターを弾いている。
フェンダー・ジャパン製の、4万円位で
買ったやつ。某楽器店が特別にオーダー
した71年モデルで、色はナチュラル、
ピックガードは白である。


94年に買ったので、28年弾いてる事に
なる。安いギターだけど大当たりだった。
買ってから数年は本当に毎日弾いていた。
弾き過ぎてフレットが擦り減ったので一度
交換し、電気系統もリペアした。


テレキャスターというギターについては
僕の世代だとブルース・スプリングスティーン
の印象が強い。「ボーン・イン・ザ・USA」
ですね。でも当時は嫌いだった。
ちゃんと歌詞を見ていなかったので、
ナショナリズムっぽい曲かと思っていたし、
それに影響された日本のミュージシャンが
とにかく嫌いだった。暑苦しくてダセえなと。


テレキャスターと言えばオフホワイト、
ブロンドという色に黒のピックガードという
カラーリングが有名だが、当時どいつも
こいつもそれを使っていたので、嫌いだった。
このカラー、いまだに抵抗感がある。
キース・リチャーズも使っているけれど。


その印象が変わったのはスティーヴ・
クロッパーだ。一見簡単なようでちょっと
弾けない、粋なギター。めちゃくちゃカッコ
いい。すごく好きだった。
クロッパーが弾いていたブロンドに白ピック
ガードのテレキャスターを見て、印象が
変わったのである。カッコいいな、
欲しいな、と。


あとはオリジナル・ラヴ田島貴男
当時「ドグラ・マグラ」というTV番組で
テレキャスター購入記念特集」をやって
いて、そこで71年モデルのテレキャスター
弾いていた。後に「風の歌を聴け」という
アルバムのジャケットで持っているギターだ。
ボディ色はナチュラルで白ピックガード、
ヘッドの文字はモダン・ロゴのやつ。
これがカッコ良かった!


あのアルバムが大好きで、同じギターが欲しい
なと思ったがオリジナルは高いし、現行品には
無いスペックだった。「いいなあ、欲しいなあ」
と思っていたらそれがジャパンから限定品で
出たので、すぐお茶の水に行って試奏した。
音もめちゃくちゃ好みだったので即決して、
以後愛用している。


その後色んなギターを手に入れては手離して
きたが、これだけはずっと手元に置いていた。
売っても大した金額にならない、というのも
あるが、一番思い入れがあるギターだったので
手離す気が無かった。フレット交換した時は、
田島貴男テレキャスと同じく、ギブソン
タイプの太いものに変えた(ミーハーだなー)。


このテレキャス、すごく手に馴染むギターで、
弾くのが本当に楽しい。去年弾いた時に
「さすがにヘタったかな」と思ったので
ケースに入れっぱなしにしていたのだが、
こないだ久しぶりに出して弾いてみたら
アンプを通さない生音がとても良かった。
ビックリする位良い音で、しかも弾き易い
ので、以来毎日弾いている。
手に入れた頃の感覚を思い出している。


とは言えヘタった所もある。電気系統がね。
ジャックとか交換しなきゃダメかも。
ネックも少し反ってきたかな?
お金に余裕ができたらメンテナンスに出そうと
思っている。結構かかるけれど、
かけがえのないギターだからなあ。


カメラもそうだが、僕が使う道具は
高価じゃない物の方が相性が良いのかも
知れない。高価じゃないけれど丁寧に
作られていて、かつ自分にとって相性の
良いもの。誰でもそうか。
とにかく、そういう物を大事にしていこう
と思うのである。


まあ、突然大金が手に入ったら、高いギターを
買いますけどね僕は。高いギターと大型カメラ
を買うぞ、きっと。すぐに手離すけど。