唯一無二の人

昼から外出。蒼穹舎の展示を観た後、
六本木へ。「細野観光1969-2019」を観た。
やっと観れた。


中1でYMOに出会ったのが全ての始まり
だった。そこから音楽にのめり込んだの
だが、ポップ・ミュージックだけではなく
ありとあらゆる音楽を聴こうと思ったのは
YMOの、細野さんの影響だ。


音楽だけではない。書籍、映画、美術、
デザイン等々、YMOを通して色々なものに
触れる事ができた。そこから更に興味が
広がって、好きな物がたくさんできた。
いま僕が写真をやっているのも、間違いなく
その延長である。


で、展示ですが。いやー感激しました。
中学の同級生みんなで観たかった!
一緒に観て、その後感想を話しながら
飲みたかったわー。


展示の中では、数々のメモやノートが
良かった。日々の発想や、「こんなの
やりたい」という願望が一つ一つ積み
重なって新しい音楽に繋がっていった
んだな、と思った。


そして楽器!雑誌で、ライヴで、ビデオ
その他でずっと見続けてきた楽器の実物が
目の前にある!
数々の名作を生んだフェンダー・ジャズ
ベース、ギブソンJ-45は勿論、中学生の
僕が憧れていたシンセ類が、これでもかと
いう位沢山展示されていた。
プロフェット5!アープ・オデッセイ!
TR-808!VP-330!


中でもEmulatorが展示されていたのには
驚いた。サンプラーの元祖だ。
かつての細野さんのお気に入り、でも
今でも保管しているとは思わなかった。
実物を見て感激した。
これが欲しくて、でも買える訳が無いから
僕はカセットテープを切り刻んだり、
風呂場で紙袋を叩いたりしていたのである。


「この曲のベースは、スタジオにあった
ソファーの底のゴムを叩いた音をEmulator
に取り込んで」とか当時のインタビューで
読んで、どれだけワクワクしたことか。
中学〜高校の俺、出てこい!
僕は今、君たちと話がしたいぞ、本当に。


今の細野さんの音楽もすごく好きだ。
しがらみなく自分の好きな音を鳴らして
いるのだが、そこにはこれまでやって来た
音楽の要素がそこかしこに感じられる。
あれだけ幅広い事をやって来たのに、
どこか一貫している。
ユーモアと品の良さを、いつも感じる。


卓越したメロディーメーカーであると同時に
古今東西のリズムに精通したリズムマスター
でもある。
どんな楽器でも鳴らせる、自分の音を出す事
ができる、類い稀な楽器演奏者でもある。
ほんとに唯一無二の人だなあと思う。


いま世界中で、ありとあらゆる時期の細野
さんの音楽が聴かれているらしい。
しかも若い人に。なんか嬉しい。
色んな国の、幅広い年代の人達が展示を観に
来ていたのを見て実感した。


展示は明日までだが、もう1回観たいなあ。
映画も始まったんだよな。予告編だけで
ちょっと泣きそうになったのだ。
なんだか嬉しい1日でした。