Some Small Hope

今日は記念日。写真家として生活する
事を始めた日である。15年になった。


前の会社を辞めた日であり、その時の
事は以前10周年のブログに書いた。
当時の実力は置いといて(ひどかったー)
とにかく自分は写真家です、写真を
生活の主軸にします、と宣言した
日なのである。


15年経ってまず思う事は、よくまあ生活
できたなと。30代半ばで無職になって、
50を過ぎてもこんな暮らしだ。
我ながらよく生きてこれたなと思う。


会社を辞めた直後はただただ楽しかった
のだが、しばらくすると不安になった。
収入が一銭も無いのに、銀行の口座から
どんどんお金が減って行くのが怖かった。
僕は一生、収入を得られないのでは
ないかと思った(じゃ、働けや)。


赤バイクの仕事を始めてからも同じで、
いつクビになるか分からないし、
でも正社員になる気は毛頭無くて、
希望と不安がいつも入り混じっている。


そんな中で救いになったのが森山大道さん
が以前どこかのインタビューで話していた
言葉だった。詳細は忘れたが、季節の
変わり目にいつも「お金は無いけどさ。
今年1年も、なんとか生活できた。だから
とりあえずあと1年」と思うのだ、という
話だった。


遠い将来のことは分からないし、考えても
しょうがない。
とりあえずこの1年間を生き抜こう、と
考えたらすごく気楽になった。
今も僕は、小さい希望を繋ぎ合わせながら
生きている。


「お前それじゃダメだろう。しっかり
しなさいよ」と言われた事もあるが、
「しっかりしてなかったらこんな生活、
できるかい!」と思ってきた。


はたから見れば無計画な生活を、15年も
続けてこれた事が、本当に嬉しい。
これからちょっと変化がありそうだけれど、
また1年、小さい希望を積み重ねながら
生活していくつもりである。