今回の展示に合わせて小さな写真集を
作ったという話は前にも書いたが、
この本「SIGNBOARDS」は最初、
５部作った。
本が届いてすぐ、非常に後悔した。
いや、出来は良いのだ。
思った以上だった。見てて楽しい。
看板の写真だけ集めた本だけど、
面白い記録になったなと思った。
看板の文字自体がまず独特で楽しい。
土地によってデザインも微妙に違う。
かつ、風化の具合が西と東では異なる。
西は強い光に晒されて色褪せるし、
東というか北の方では、雨と風と雪に
晒されて変色しているような気がする。
作って良かったな、と思ったのだ。
問題は部数だ。５部も作って誰が
買うのだ？残ったらどうする？
また在庫抱えるのか？辛いなー。
調子に乗ったわ。やり過ぎたな。
でも何とかしなければ。搬入の時、
恐る恐る大田さんに差し出した。
「あの、こんなの作りまして……」
「いいんじゃない？幾らで売る？」
え、売り物にしていいんですか？
（つくづく自信が無い奴だな）
値段を決めて「AFTER THE RAIN」の
脇に置いた。そしたら１週間で全部
売れた。嬉しかった。
分かってはいるのである。写真集を
出した時のご祝儀というか、皆さん
気を遣ってくれたんだなと。
でも嬉しかった。ありがたい。
とは言え製造原価より安く売っている
ので、そんなにたくさんは作れない。
でも自分の分も無くなったし、何より
たくさんの人に見てもらって感想を
聞きたいなと思ったので、あと５冊
追加発注した。
またしても低めの清水から飛び降りた
のである。
幸いまた２冊売れたのでホッとして
いる。多分これで打ち止めだろう。
これ以上勘違いしませんよ僕は。
それにしても本作りは面白い。
もっと腕を磨いて、いつか自分の
編集で正規の？写真集を作れるように
なりたいと思うのだ。
