ズボン下ほどの矜持

今日もまたフェリーの中にいる。
風邪は大丈夫。朝起きた時はちょっと
気が重かったが、撮影だと思ったら急に
元気になった。赤バイクの日はどんどん
意気消沈してくのにね。


電車の中ではやはり膝から下が寒い。
10年ちょっと前に下肢静脈瘤の手術を
してから冷えやすくなった気がする。
大した手術じゃないし、むしろ血の巡り
は良くなる筈だが。気のせいか。


そんなに寒いならジーンズの下に何か
穿けば、と言われるのだが、そこは断固
として拒否したい。
最近はアンダーパンツとか言うのか?
早い話が股引、僕らはズボン下と呼んで
いたが、あれは絶対穿きたくない。


最近は若い人達もあれを愛用していて、
赤バイクでもみんな穿いている。
ヒートテックとかあってあったかいです
よ、冬は欠かせませんよ、とか言って
いるのだが、僕は穿いてない。


子供の頃は穿いていた。が、小学校の
高学年辺りになると馬鹿にされるので
ある。「わージジくせえー」と。
なのでみんな穿かなくなる。
馬鹿にされたくない。子供なりに
プライドがある。俺は違うぞと。
どんなに寒くても、マイナス10℃を
下回る日でも穿くものか、となる。


それを未だに引きずっているのだ。
50歳近くにもなって。おじさんトップ
リーグに在籍し、もうすぐおじいさん
リーグ2部に昇格しようとしてるのに。


若い頃のプライドなんて大概はしょうも
なくて、取っ払った方が自由で前向きに
なれたりする。でもたまに、こだわり
続けたくなる事もあるのだ。
それがズボン下、というのが何とも
しょうもない話ではあるのだが。


では撮影に行ってきます。