池のほとりで

軽井沢ツアー最終日にして、ようやく
旧軽井沢に入る。朝から人が多い。
うるさい。
ある人が言っていた、「火炎放射器
焼き殺したくなるのよね」という言葉を
少し理解する(怖い事言ってるな)。


それでも僕らも同じようなもんで。
蕎麦屋で天そばと団子(またか)、
その後ミカドコーヒー、さらに(実は)
今回の旅の目的の1つだったミノリヤの
ソフトクリームなどと、ベッタベタの
観光客と化す。
土屋写真店で写真も買った。
古い軽井沢の風景。なんか勉強したくて。


途中立ち寄った室生犀星記念館は、考える
ところがあった。昨日見た堀辰雄の山荘も
そうだが、ものを作る場所としていいなあと。
大して広くないけど、十分な広さと使い勝手で。
寒そうだけど。


ちょっと脇道に逸れてみると、素敵な木立が。
写真を撮る。
それから歩いて雲場池へ。これは良かった。
こんな景色が、ずっと見たかったのだ。
木々と水と静けさ。嬉しくて笑ってしまう。
こういう場所に来たかったのだ僕は。


しばらく歩いていくとカフェがあった。
僕は別にいいかなあと思ったのだが、
友達に引っ張られて入る。
池の中のコテージに、アウトドアで使うような
リクライニング椅子と小さなテーブル。
目の前には池と緑が。


「めちゃくちゃいいなあ」
椅子に座った瞬間に思う。光と匂いと風、
水と緑がどーんと入ってきた。時間が漂っている。
ああ、いいなあ。
一杯ずつ丹念に作られたコーヒーも美味くて
唸ってしまった。これはいい!


iPhoneを取り出す。軽井沢で聴きたくて、
その為にわざわざ入れてきた曲を聴く。
安易な行為だけど、やっぱり良い。出来過ぎ。
しばらくのんびりしていた。ああ、休暇だなあ。


再び旧軽に戻り、ちょっとブラブラした後、
6時のバスで帰る。正直、帰りたくなかった。
そんな旅は久々だ。いつもは「はい、おしまい」
って感じで、割とさっぱりしてるのに。
一貫した静かさと穏やかさ、温かさが心に残る。
僕は今、一番居たい場所に居たのだと思う。


と言う訳で、良い旅でした。ただ、問題が。
贅沢し過ぎました。これからどうするべ。
……まあ、いいか。