アクマの水

数日前の事。あまりの蒸し暑さに僕は
すっかりバテてしまった。バイト帰り、
歩くのさえつらい。
ああ、なんか冷たいものが飲みたい。


「gooz」でアイスコーヒー買ってヘーゼル
ナッツのシロップ入れて、とかペプシ
出してる濃いめの缶コーラもいいな、と
思ったところでふと考えた。
「ビール、ってのはどうでしょう?」


どうせ家に帰れば飲むんだし、ちょっと早く
なるけどいいじゃない。
アクマが僕にささやく。えーい、飲んじゃえ。
コンビニに入って1本冷えたのを買って一気に
飲む...............うめえーっ!!


しみじみと美味かった。いつもより味がよく
分かると言うか、懐かしい味がするというか。
10代の頃に飲んだビールの味がする、って
何を言ってるのだ俺は。
美味いうまいと感動しながら飲んだ。
これはいい。ビールを飲むべき時間ってのが
あるのだ。そしてそれは、今だ!


あまりにも美味かったので、その後習慣に
なってしまった。帰りに缶ビール1本。
なあに、家に帰ってからのビールを減らせば
いいじゃないか。ねえ(誰に言ってる?)。


が、物事はそう都合良くは行かないもので。
家に帰ってからもいつもと同じだけ飲んで
しまうんですね僕は。
飲みだす時間が早かった分、かえって量が
増えたりして。何をやってるのだ俺は。


いかんいかんもう止めよう、と思いつつも
バイトが終わるとアクマがまた囁く。
「冷えたビールが待ってるよお〜」
負けるものか、今日はまっすぐ帰るぞ!
.........ああ。