終わりは始まり

朝早く起きて新沙へ。今日は午前中だけ時間を
もらって、撮影しに行く事にしたのだ。


地下鉄の階段を上がった瞬間から撮影開始。
雨上がり、という事は「After The Rain」の
風景が広がる。つまりは僕の好きな光景だ。
いくらでも撮れそうな気がした。
その後河南に移動。昨夜の興奮醒めやらぬまま、
今日もたくさん撮る。


その後、11時頃会場へ。今日は日曜日という事で
たくさん人が入っている。隣りのカメラショーの
お客さんが殆どだが、そこから流れてくる人も多い。
昨日に続き、本も少しずつだが売れている。順調だ。


午後3時頃に山口さん、4時頃に川口さんが日本に
帰る為に会場を離れた。急に寂しくなる。
少しずつ、祭りは終わろうとしているのだ。


この辺で打ち止めかな、と思い始めた4時半頃、
一人の若者が熱心に写真集を見始めた。1時間以上
予定の終了時間を超えても、全ての本を丁寧に見ている。
結果、その人は一人で6冊も写真集を買ってくれた。
そして彼はこう言った。「写真のトーンがどれも好きで、
全部欲しくなった」と。


その一言で僕は救われたような気がした。
根本的には、何も変える必要は無い。合わせる必要は
無い。決して多くはないけど、この写真を受け入れて
くれる人達は確実にいる。
ただ、人の目に触れる為の努力と工夫は絶対に必要だ。
では何をどうするか?そのヒントを僕はこの4日間で
学んだような気がする。


6時半頃イベントが終了し、直ちに搬出開始。
植村さんの知人で写真家の文興植さんが手伝ってくれた。
文さんは後半通訳も買って出てくれた。
彼が助けてくれなかったら、一人で6冊も買っては
くれなかっただろう。ただただ、ありがたい。
今回は最初から最後まで、韓国の人達に助けられた。
本当に、心から感謝してます。ありがとうございました。


ホテル近くの高速バスターミナルで、植村さんと
打上げを兼ねた夕食。ビビンパサムゲタン
ご苦労さまでした。