楽しくて切ない夜

久しぶりに、以前の職場の同僚と飲んだ。
きちんと話すのは8年ぶりだろうか。
それでも久しぶりに会う気がしない。
志を持って暮らす人達と話すのは楽しいし、
何だか背筋がスッと伸びるような気持ちになる。


それにしてもあの頃は毎日短気を起こしてばかり
だったなあ。
「そういや厚博さん、うちの職場に居た時も
課長と喧嘩してましたよね」
「え、うそお?」


その後輩と同じ職場に異動した頃は他人と
やりあう事がほとほと嫌になっていた時期で、
そういう事ばかり繰り返す自分自身にも嫌気が
差していた。
「結局、一番ダメなのは俺だ」と。
だから気持ちをグッと抑えて、言いたい事も
我慢して、丸く収めようとしていた、筈だった
んですけど?


「いや、最初は我慢してたんですよ。
でもそのうちに怒り出して、課長に向かって
『てめえなんか辞めちまえっ!』って」
....間違いない、俺だ。すっかり忘れてた。


我慢して過ごす事で周りの評価は変わったけれど、
僕自身はどうにもこうにもつまらなくなり
行き詰まり、その頃出会った写真にのめり込んで
一直線、と言うのが僕自身の記憶だったのだが、
全くいい加減なものですね。
最初から最後まで同じだったんです。情けない。


その後も同じ事をずっと繰り返している。
年が明けたら45だ。何とかせねばなあ。
楽しくて切ない一夜であった。