宇和島へ

8時22分発「しまんと1号」に乗るつもりが、間違えて逆方向に向かう
「南風6号」に乗ってしまう。同じホームから出発するとは言え、
時刻も違うのになんでまた。
すぐ気が付き後免という駅で降りて走り、「しまんと1号」に乗り換える。


最初からつまずいてしまったけれど、あとは順調に進む。
土讃線は途中雨が降ったり止んだり。その度に強い陽が差して、山や
野や町を美しく照らす。時々、山の間に海が顔を出した。


撮影しながら「ああ、いいなあ」とつくづく思う。三陸沿岸を撮影して
いた時の事をふと思い出した。僕にとって「ホーム」の1つである
三陸沿岸の町々は、ほとんどが津波に流されてしまった。
そう考えると、今見ている風景がとてつもなく貴重なものに思える。


まあ、いい。とりあえず撮らなきゃ。
窪川で降りて、待ち時間に少し撮影。それから予土線宇和島へ。
降りた途端に「うわあ!」と声が出る。これは撮りたい、撮らねば。
すぐに撮影に入るが、途中で自分内マンネリに陥ったような気がして
ちょっと落ち込む。なんだ、またいつもと同じじゃん。そればっかり
じゃねえか。


でも撮るしかないのだ。歯を食いしばって撮り続ける。そうこうしている
うちに今度は軽い熱中症のような状態になって、道ばたにへたり込んで
しまった。なんだい、なんだい。


茶店に入りアイスコーヒーを飲んで立て直し。
それから夕方まで撮影を続けた。
ホテルに入って荷物を置き、夕食へ。昨日は贅沢したし、今日は質素に、
と思ったが、入った店のあまりの不味さに怒りが爆発しそうになる。
何だ、これ?
....でもまあ、それもまた旅のうちか。