鰹の町

羽田発7時50分の飛行機で高知へ。飛行機の楽しみは機内で音楽を
聴く事なのだが、今回は当たりだった。


シカゴ「Saturday in the park」、ドゥービー・ブラザース「Long
Train Runnin'」(飛行機なのに)辺りはまあ、よくあるけど、
アソシエイション「Never My Love」は嬉しかった。良い曲だ。


空港からバスで高知へ。着いてすぐ撮影開始。今にも降り出しそうな
厚くて黒い雲、蒸し暑い気候。あっという間にシャツは汗でずぶ濡れに
なってしまった。でも、間違いなく、楽しい!


最近はデジタルばかり撮っていたのだが、フィルムを使うと色々違いに
気付く。例えば撮り方。ファインダーを見ながら同じ場所を細かく何度も
撮り直していた。ちょっと右、いや左、むしろ上、試しに前、そんな
感じで何枚も撮っていたのだ。当たり前なのだが、最近そこまで徹底
していなかった気がする。液晶画面を見ながらでも同じ筈だが、どこか
あっさり済ませていたかも知れない。事実、撮影量が少なかったし。


フィルムカメラを持つと、そういう長年のパターンが自然と出てきて、
それが撮影のリズムに繋がっていく。だから面白い。
「ああ、こんな事も忘れてたのか」と撮影にのめり込んだ。


バスに乗ったり降りたりしながら夕方まで撮影する。うん、面白い!
ホテルに戻って着替えた後、再びカメラ片手に街へ。飲み屋が多い街だ。


その後今回の旅で唯一の贅沢をする。鰹のタタキ、しかも塩タタキを食う。
美味い!
僕は鰹が大好きなのだ。三陸の鰹も美味いが、高知もさすがである。
分厚く切った餅のような歯応えのやつをガッと食うと体中に力がみなぎる。
もう、いいです。これが食べられたら後の食事は何でも。多分。


ああ美味い、ああ幸せ、とつぶやきながら夜の街をふらつく。
さあ、始まったな。今日一日もなかなかだったが、これからまだ3日も
あるのだ。幸せだなあ。帰って来たなあ。