こだわり

3日間程、腕時計の無い生活を送っていた。
最初はどうなるかと思った。僕は普段何度も時計を見るからだ。


特にバイトの時はよく見る。地域毎の荷物の分布具合、
普通便と速達の割合と分布を頭に入れた上で、昼休みまでの時間を
チェックしながら、配達する順番を変えたりする。
そうやって配達のロスを削減して午前中に極力多く配達し、
残業しないで帰ろうという考えだ。
暗室作業の時間を捻出する為の、結構シビアな闘いなのである(うそお)。
従って、時計が無いのは非常に困る。


で、腕時計無しでやってみたのだが。何とかなるもんですね。
むしろ時間に追われる感じも無く、時計を見ない分だけ
気のせいか仕事が速くなった気さえするのである。


「これが無いと困る」とか「これがあっての」とかいうのは
実は全然意味が無いんだなあ、と感じた3日間であった。
どーでもいいのだ。何とでもなるのだ。
こだわりは、実は結構邪魔だ。


とは言え、無いとやはり困るので、新しい腕時計を買った。
セイコー・ファイヴ。安価でシンプルで、でも正確で丈夫。
まさに日本ならではの製品。なのに国内では販売しておらず、
逆輸入品しか手に入らないのである。おかしくねえか?
物を売る人達には、収益だけでなく色んな事にちょっとは
こだわって欲しいなあ、と思うのである。