夏をあきらめて

もう何度も書いているが、夏は苦手だ。
特に、蒸し暑いのはほんとにダメだ。
先週くらいから物を考えるのが億劫になってきている。
と同時に、ズーッとイラついている。
元々短気で、深く物事を考えない性格だから余計タチが悪い。
ただの動物である。


子供の頃は間違いなく、夏が一番好きだった筈なのに、
どこで変わってしまったのだろう?
ふと、そんな事を考えた。もちろん、冷房の効いた部屋の中でだが。


すぐに答えが出た。高校生の頃だ。
その時期にありがちな何やかやが起きて、夏の明るさ賑やかさが
フッと嫌になってしまったのだ。街中を歩いているだけでも
その眩しさや人々の楽し気な様子が辛くて、自己嫌悪を感じてしまう。
「早く秋にならないかなあ」と、いつも思っていた。


なーんて書くと随分繊細な青年期だったみたいに見えるのだが、
そんな事は無い。「ああ、ダメだな俺」とウダウダしてただけである。
歳を取り、名実共に(?)図太くなったが、夏はまだ苦手である。
とりあえずサッと流して、来るべき秋と冬に備えようと思っている。


でも、完全に諦めている訳ではない。いつかまた、夏が一番
楽しいと思える日が来ればいいなあ、とも思っている。
「ああ夏だなあ。色々あったけど、やっぱり楽しいなあ」
と思いつつ静かに眠る、というのが理想だ。
.....ま、その発想自体が夏向きではないんですけどね。