背番号6

元巨人の名二塁手土井正三氏が亡くなった。67歳だった。
子供の頃、一番好きだった選手である。小柄でパワーは無いが、
職人気質の素晴らしいプレーを、いくつも見せてもらった。


守備に関しては、いわゆる「イージーミス」というのを決してしない人だった。
その後現れた名二塁手、例えば巨人だと川相、西武だと辻でさえ、
たまに「ウソぉ!」と言いたくなる凡ミスをしでかすのに比べ、土井には
それが無かった(と思う)。
打撃ではたまにバントミスをやったが、それについては後年本人が語っている。
「ここでさ、『ここで俺が』とか『男、見せてやる』と思うとダメなんだよね」
今聞くと、この話がすごく良く分かる。


随分と気性の激しい人だった事も、今回初めて知った。
小さい体で、厳しいプロの世界をどうやって生き抜くか、相当考えたんだろうな。
何だか、思う所がたくさんある。


指導者としてはデビュー時のイチローを冷遇したと言われているが、
今回、当のイチローがこう答えている。「そうじゃないのにねえ」
短いけれど、温かい一言だ。すごいなあ、とつくづく感じた。