世の中には人を「巻き込む」人間と、「巻き込まれる」人間が
いるのではないか？そんな事を友達に話した記憶がある。
一人で勝手にやってりゃいいのに、いちいち他人を巻き込む奴と、
一人で好きにしたいのに、なんだか色々巻き込まれる人の
２タイプがいるんじゃないかと、僕は思っていた訳だ。
「俺は『巻き込まれる』方かなー」と言ったら、即座に否定された。
「お前は典型的な『巻き込み』型だよ」
そう。「巻き込み」型の厄介な所は、「自分はいつも被害者だ」、
「僕はいつも巻き込まれてる」と思っている点にある。めんどくさ。
そんな僕でも今日はさすがに「巻き込まれている」と思った。
朝から色々起きた。最初の件は自分の蒔いた種だったのでまあ仕方が無いが、
その後は「そんなの知らねえよ」、「え？何で俺が？」の繰り返し。
家に入る寸前まで色々起きた。クタクタに疲れて床にへたり込む。
まあ、そんな日もあるさ。でも、もうおしまいだ。
気を取り直して暗室開始。快調に進み、楽しくなってきた所で電話が鳴った。
「．．．．．．．．．」
直感が働いた。この電話は取らなければならない。取った方が良い。
でも多分、めんどくさい話だ。巻き込まれるぞ、俺。
ベルはまだ鳴り響いている。僕はプリントを定着液に浸けて、電話を取った。
さあ、来い。
