空回り

昨夜旅の計画を立てていて、ふと気が付いた。
今回使おうとしているフリーきっぷは、寝台列車に乗れるのだ。
そして寝台を使った方が、当日の新幹線より早い時間に
目的地に着くのだ。これはいい。


これであの、退屈きわまりない東北新幹線から解放される。
窓の外を見てもつまらんし、停車する度にしょーもない音楽が鳴るし、
大体あの電光掲示板は何なのだ。「只今くりこま高原駅を通過しました」
って言われても困る。だからどーしろと言うのだ。実につまらん。


それに比べて寝台はいい。風情がある。
以前北海道から帰ってくる時に「北斗星」に乗ったが、これは良かった。
目が覚めてからもしばらく時間があるので、寝台に寝転がって本を
読んだりしていた。時間がゆったり過ぎて行く感じが何とも心地良く、
外の景色もなぜか新幹線より面白く見えた。贅沢な時間だったな。


ふと想像してみる。バイト帰りにそのまま上野に行って列車に乗り、
寝台に腰掛けてウイスキーの小瓶なんぞをキューッとやるのだ。
そのまま眠り、目が覚めたら外は日本海だ。何か撮れるかも知れない。
これはいい。


と、ひとり盛り上がって迎えた本日、だった訳だが。
とっくに売り切れておりました。ガックリです。金曜夜の列車だもんな。
仕方ないか。じゃ翌日の新幹線を、と思ったら、僕が言うより先に
駅員さんが翌朝の一番列車を予約してくれていた。
「やっぱりこの電車でしたね」。お気遣い、ありがとさんです。


やれやれ。また乗るのか、あいつに。