つづく

写真家になると言って会社を辞めて、
今日で20年になった。
いま思うことはただひとつ。
「続けているぞ、俺は」


賞を取った訳でもないし、
写真集も思ったよりたくさん作れて
ないけれど、僕は続けている。
個展に関しては2022年以外、毎年
開催している(この年だけギャラリー
が取れなかったのだ)。
これだけはずっと続けてこれた。
それが何よりも嬉しい。


前にも書いたけれど、会社を辞めた時は
「いつかどこかで後悔する日が来るかも
知れないな。その時どうするかだな」と
思っていた。
けれど、そんな事は一度も無かった。
むしろ写真が無かったらどうなっていた
だろうと思う。
まともに暮らせていたかどうか。
今も僕は「写真を撮って、発表し続ける
こと」だけを支えに生きているし、
その気持ちは以前より強い。


とは言え、経済的な苦境は数知れず。
何なら今が一番きつい。
収入がほとんど無いからだ。
でもまあ、そのうち何とかなるだろ
(なるのか?)。


お金が無くなる度に「続けられるかなあ」
と頭を抱えたけれど、考えに考えて
乗り切ってきた。
よくやった。でも自分にこう言いたい。
「他になんかやり方は無かったか?
要領悪すぎるだろバカ」


とにかく、楽しい20年であった。
あのまま暮らしていたら会えないような
人達にたくさん出会えたし、見たことの
無いものもたくさん見れたし、知らな
かった事をたくさん知れた。
ここ数年行動半径が狭まっているけれど、
それはそれで得るものもある(と思う)。
とりあえず、これからも続けます。