Notes of "Morioka Note" Part 1

今度の日曜日、個展最終日に在廊できる
事になりました。
嬉しい。ほんとにありがたい。
例によってギャラリーの隅っこに居ます
ので、声をかけて頂くと嬉しいです
(そうは見えないかも知れませんが、
心から喜んでおります)。


自分で言うのもなんですが、今のところ
褒めて頂いてるみたいです。
いやあ、嬉しい。ホッとした。


一人で、誰とも写真の話をしないで生活
するのが初めてなので、製作中はずっと
恐怖があった。自分の感覚がズレている
のではないかと思っていたのだ。
今回搬入の時に、ちょっとそれを感じた
ポイントがあったが、とりあえずまだ
大丈夫みたいだ。


半面、新宿から離れた事で良い事もある。
岩手に帰ってから自分の写真をじっくり
見直す機会があって、特に展示の面で
客観的に見直す事ができたのだ。


そこで感じたのは「絞り切れてないな」
という事だった。好きなものを全部詰め
込もうとした結果、何をやりたいかが
見えにくくなっている。
「その混沌も写真の面白さだ」という
気持ちもかつてはあったが、少なくとも
自分の写真にはそれは不要だなと今回
気付いたのである。


「絞り込んだ方が良いな」という感覚は
前からあって、前回の個展でもそれを
やろうとはしていた。でも今見ると
やりきれていない。
「この写真が好きで、入れちゃった!」
がまだ残っている。
「この展示で見せたいのは、これです」
という事をもっと明確に、覚悟を決めて
示す必要があるなと思った。


今回、写真をセレクトし終えた時、
冬から春の写真が一番グッと来た。
いま観せたいのはこれだと思ったので、
これらを主軸に置いた。


それ以外の写真には色鮮やかな、
今までならギャラリーの一番目立つ所に
入れたくなるような写真も色々あったの
だが、全てカットした。
途中ちょっと迷って、また混ぜてみたり
したのだが、印象がぼんやりしたので
再びバッサリ切った。


とは言え、切る事に意識が向かい過ぎて
しまうのもダメで、やり過ぎると一人
よがりな、面白味のない展示になる。
そのバランスには最後まで悩まされた。


自分一人で考えていても結論が出ない
ので、搬入前に大田さんに写真を見て
もらった。そこでまた、思い入れが強い
だけの写真を削ったり、削られたけど
やはり必要だと思うものを戻したりした。
大事な時間だった。プリントだけ送って
搬入を人任せにしなくて良かったと、
つくづく思ったのである。
僕はまだ、そんなレベルではない。


以上が今回の展示で気を付けた事、
その1です。もう1つ、もっと大事な
ポイントがあったのだが、それはまた
後程。