コーク・ハイ

最近ハイボールをよく飲んでいる。ビールも飲むけど。
たまたまテレビで美味そうに飲んでいる所を観て
飲みたくなったのだ。単純ですな。


ウイスキーを炭酸水もしくは炭酸飲料で割る、と
いうと、コーラで割ったコーク・ハイを思い出す。
矢沢永吉的に言うと「ウイスキー・コーク」である。
酒、というものに興味を持ち始めた中1の頃、
家に遊びに来ていた友人ユーイチが突然こんな事を
言い出した。
「コーク・ハイって知ってっが?うめえらしいぞ」


この男はいつもどこからか変な知識を仕入れてきては、
みんなの前で突然披露し、巻き込む。
その後現在に至るまで33年間繰り返すこのパターンが
この日も始まった。


「知らねえ。何それ?」
そしてこのパターンの上客であり続ける僕が乗っかる。
で、試してみようとなった訳だ。親父のウイスキー
こっそり持ち出し、コーラで割って飲んだ。
「うめえなあ」
「うめえべ!んなのよ(そうなんだよ)」



中1に酒の味なんか分かる訳は無いのであるが、
簡単にその気になってしまうのである。
飲みやすいものだからおかわりして飲んだ。
一緒に飲んでた小柄なカズヒロは真っ赤になって
寝てしまった。僕らも眠くなってきたのだが、
親が帰ってくる前に証拠隠滅しなければならない。
急いで片付けて部屋を換気して、カズヒロを叩き
起こした。「帰るべ!」


ハイボールを飲んでいると、そんな昔の事を
思い出したりするのである。
ああ、俺はあれから、酒飲みへの道を歩き始めた
のだなあ。