グレー・トーン

このブログでたまに東北弁を書いて、後から妙な違和感を
覚えることがある。TVドラマで東北弁を聞いたときの印象に近い。
「そんな言い方しないでしょ」って感じ。ヘタだなこいつ、と思うのだ。
一応先祖代々東北人なのに、なんでそうなるんだろう?
フィルム現像の合間にふと考えた。


どこの方言でもそうだが、書き言葉で表すのは難しい。
だが、関西出身の人が関西弁で文章を書いても、
不思議と違和感は感じない。
関西弁で「そやろ」と書いても(書かないか)違和感は感じないが、
東北弁で「んだべ」と書くと何か違う。
僕が東北出身だからそう思うだけなのだろうか?


そこでさらに考える。
「東北弁の発音は、書き言葉にしにくいのではないか?」と。
例えば「んな事言ったって分がんねえじゃ」というセリフは(何じゃそれ)、
カタカナで表すと「ンナゴドイッタッテワガンネエジャ」となる。
が、しかし。
この場合の「ゴ」は単なる「ゴ」ではなく、「ン」と「ゴ」、
「ド」は「ド」と「オ」、「ワ」は「ワ」と「ウ」、「ガ」は「ガ」と「グ」の
中間音で発声される。いや、実際はもう一つくらい音が混じっている気がする。
これは書きにくい。


そうか、東北弁は白でも黒でもない、言葉のグレー・トーンだなー。
そんな事を考えているうちに眠ってしまい、フィルム現像がまた遅れた。
....早く現像を終わらせよっと。