その場所で

4時半に家を出て、各駅停車を乗り継いで
掛川へ。今年4回目だ。


バスに乗り外の景色を眺めながら「もう
夏も終わりなのかなあ」と思ったが、
搬出作業をしているうちにどんどん暑く
なってきた。まだ秋は遠い。


僕の展示は何度も風に飛ばされたので、
その度にかなり強力に補強してもらって
いた。なのでそのテープ跡がなかなか
取れなくて苦闘する。
途中、展示場所の持ち主の方が来られて、
「そんなに綺麗にしなくていいからねー」
と言ってくださった。申し訳ないです。


今回のGAW展は今まで以上に土地の
方々に助けられ、救われる事が多かった。
僕は何もできなかったなあ。
ただただ、感謝することしかできない。
自分の展示と、他の人達の搬出もちょっと
手伝って、挨拶して、日坂を離れる。


同じように搬出に来ていた齊藤明彦くんと
蕎麦を食べ、バスが当分来ないので
話をしながら駅まで歩く。
暑いけれど、どこか気持ちがいい。
何だか夏休みみたいだなあ、と思いながら
2時間も歩いた。
それでも話が尽きなかったので、掛川駅
飲む。


今回のGAW展もそうだが、西脇に移り
住んでからの齊藤くんの写真が素晴らしく、
凄味さえ感じていたのだが、話していて
その理由が少し分かった気がした。
「ああ、写真しか無いんだな」と。


言葉が足りないので誤解されたら困るが、
写真を主軸として、そこに全てをかけて
生きている人間の凄さだ。
そういうつもりで生きている人は他にも
いるだろうけど、それが写真に出てくる
人はそうそういない。


齊藤くんを見送った後、各停列車で帰る。
少し背筋が伸びるような想いだ。
ひとつ終わった。次は個展だ。