ルーフ・トップ

最後の給料日。
朝からあちこち回って引き落としやら
支払いやら。給料、ほぼ消滅。


それからハローワークへ。
検索して求人票を印刷する。
いつもならこれを持って蔦屋書店に向かう
ところだけれど、そんな余裕のある状況
ではない。肴町のカフェで検証する。
1枚1枚チェックして絞り込んで考えて、
カフェが混み合って来たので場所を変えて
また考えた。でも自分一人で考えられる限界
だなと思ったので、再びハローワークへ。


行って良かった。色々教えてもらったし、
新しいヒントももらった。
今日中にどこかの会社へ申し込もうと思って
いたが、一旦持ち帰った。
ハローワークって、ほんとにありがたい。


さあ、これからどうするか。
とりあえず何か食べようと思って色々歩き
回ったが、いまいち。
ウロウロしているうちにイオン内のCDショップ
兼楽器屋で前から欲しかったギター・ストラップ
を見つけた。


ジョン・レノンが「Let It Be」制作時に使ってた
やつのレプリカ。映画になってるけど、ビルの
屋上で突然始めたライヴの時に、ジョンが
エピフォン・カジノに付けてたやつ。
ずっと欲しくて、ネットで何度も買おうとしては
思い止まってたやつ。なんで買わなかったかと
言うと、結構高いのだ。それが半額で売ってたのだ。
即決だった。


家に帰って、30年間愛用しているテレキャスター
付けてみた。これがめちゃくちゃ似合った。
他のギターには合わなかったので、これは
テレキャスター専用だな。


20代の後半、このギターを毎日弾いていた。
残業が多かったので帰ってくるのが9時とか10時
過ぎだったが、寝る前に布団の上で毎日弾いていた。
ずっと作曲していたのだ。当時自主制作でアルバムを
作りたいと思っていて、曲を書き溜めていた。
布団の上に五線紙のノートを置いて、毎日あーでも
ないこーでもないと試行錯誤していた。


エレキギターだからアンプを通さなければ近所迷惑
にはならない。けれどテレキャスターはとても
原始的なエレキギターなので、掻き鳴らすとアコギ
みたいにすごく響く。その音が素晴らしくて触発
された。このギターを持つとなんか作れる。
なのでずっと愛用してきた。


そんなギターにお気に入りのストラップを付けて、
ちょっと弾いてみた。そしたら色々湧き出てきた。
普段弾かないようなコード進行と、よく弾くフレーズが
どっちも出てきて驚いた。楽しかった。
このギターじゃなければ出なかったと思う。
まっすぐに何かをぶつけられるギター。
安物だけれど、僕は一生使い続けるつもりだ。